Ruskin, J (1819.2.8-1900.1.20)
 イギリスの批評家。スコットランド出身の富裕な酒商の子として生れた。主として家庭で教育を受け,早くから美術を愛し,ヨーロッパ諸国を旅行したのち,オックスフォード大学を卒業 (1842)。ターナーを知り,彼の風景画を指示する動機から『近代画家論』Modern painters, 5 vols., 1843-60を著し,論壇の注目をひいた。彼はまた「ラファエロ前派」のために弁じ,ゴシック主義の美点を力説したが,その美術観は『建築の七灯』Seven lamps of architecture, 1849,『ヴェニスの石』Stones of Venice, 3 vols., 1851-53の著や,講演に窺われる。他方彼の関心は次第に社会問題にむかい,カーライル亡きあとの当代の予言者のおもかげがあった。『この後の者にも』Unto this last, 1862,『胡麻と百合』Sesame and lilies, 1865, Munera Pulveris, 1862, The crown of wild olive, 1866はこの方面の著書である。「勤労なき芸術は悪であり,芸術なき勤労は野獣である」という主張をかかげて,オックスフォード大学の美術史教授 (70-79;83-84)の傍ら,努めて実践的であろうとした。湖水地方のコニストン (Coniston)に住み (71-),イギリスの勤労者に呼びかけた書簡集Fors Clavigera, 1871-84や未完の自伝『過ぎしことども』Praeterita, 1885-89を書いて死んだ。彼の初期の文体は華やかで,息の長いものであったが,後期のものは次第に簡明単純になった。(岩)


Unto This Last (1860) (socsci.mcmaster.ca)
Unto This Last (1860) (ecn.bris.ac.uk)
Unto This Last (1860) (melbecon.unimelb.edu.au)


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