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Voltaire (1694.11.21-1778.5.30)

 本名Francois Marie Arouet。フランスの文学者,いわゆる啓蒙思想家の代表者。パリに生る。シャトレの裕福な公証人の子。生涯は大体2期に分かれる。第1期 (1694-1760):イエズス会の学校ルイ・ル・グランに学び,父の希望で一時法律学を修めたが間もなく文学に傾倒。青年時代,摂政 (Ph. II)オルレアン公を諷刺した詩の作者と見なされて,バスティーユに禁固され,出獄後ヴォルテールの筆名を用い,悲劇『エディプ』OEdipe, 1718を上演して一躍文名を高め,社交界に出入 (23- )。叙事詩『アンリアード』Henriade, 1728の一部を出版 (25)。一貴族の為に無法な侮辱を受けそのあげくバスティーユに投ぜられ (26),渡英を条件に釈放された。以後ロンドンに住み (26-29),イギリスの議会政治を始め民主主義的諸制度,風習,思想,文化を親しく研究して大いに共鳴した。またロックニュートン,シェークスピア等を学び,政治家,文人とも交わった。帰国後再び社交生活に入り,『シャルル十二世伝』Histoire de Charles XII, 1731を出版,ついで悲劇『ザイール』Zaire, 1732を上演して大成功を博し,彼の庇護者兼愛人となったシャトレ伯爵夫人と合識り (33),審美観を斬新な形式で表したLe temple du goutを発表。翌年,彼の前半生の代表作の一つ『哲学書簡またはイギリス書簡』Lettres philosophiques ou Lettres sur les Anglais, 1734(英語版は前年に出版)を公けにして大きな反響を呼び起こしたが,すぐに逮捕令が下ったので,シャトレ侯爵夫人の別荘に遁れ,以後10年間 (34-44),ここを本拠として文学と科学研究に没頭し,また悲劇『マホメット』Mahomet, 1741や『メロープ』Merope, 1743等を発表するうち,宮廷の情勢好転してヴェルサイユに呼ばれ,史料編纂官,アカデミー会員,侍従に迎えられたが (44-47),間もなく失寵,その経験を小説Zadig ou la destinee, 1747に盛った。ついでプロイセンのフリードリヒ二世(大王)に招かれてポツダムの宮殿に赴き (50),王の文学上の師友として優遇され,その間『ルイ十四世時代史』Le siecle de Louis XIV, 1751-56を完成,哲学小説Micromegas, 1752等を著したが,次第に王と意志の疎隔を来し,ベルリンを去った (53)。所々に安住の地を求め,初めジュネーヴ近郊に采地を買い入れ,文筆活動に入り (55-60),悲劇L'Orphelin de la Chine, 1755,歴史の大著『諸国民の風習・精神論』Essai sur l'histoire generale et sur les moeurs et l'esprit des nations, 1756及び代表作の一たる小説『ガンディード』Gandide ou l'optimisme, 1759等を発表すると共に,ディドロの『百科全書』Encyclopedieに寄稿した。第2期(フェルネFerney時代,1761以後):スイス国境に近いフェルネの采地に居を構え (61-78),悠々自適しつつ,土地の開発(絹工場,時計工場の開設),諸種の社会改良(塩税の撤廃,農奴の解放)に力を尽くし,特に司法上,宗教上の犠牲者の救済(カラース事件,シルヴァン事件,ラ・バール事件等)に努め,無数の評論,パンフレット,小説,劇,書簡によって反教会,反封建主義の熱烈な啓蒙活動を行い,全ヨーロッパ的な名声を得,「フェルネの長老Patriarche de Ferney」と呼ばれた。この時期の主著に『寛容論』Traite sur la tolerance, 1763,論文集『哲学辞典』Dictionnaire philosophique portatif, 1764(後者はパリの高等法院および教皇庁により禁書),小説L'ingenu, 1767,L'homme aux quarante ecus, 1768,論説集Questions sur l'Encyclopedie, 1770;71;72等があり,厖大な『書簡集』は史的史料としても重要。自作の悲劇『イレーヌ』Ireneの上演に際し (78),華々しくパリ入りをし,直後に没。彼は生前は大詩人を以て遇されたが,その才能の本質は諷刺作家,明快で機知に溢れたフランス的散文作家の典型たるにあり,特に哲学的エセーと寓意小説とに優れている。歴史においては後の科学的な歴史,文化史の先駆的業績を示したが,審美的には保守的で古典美学を遠く出なかった。理神論,理性論の立場から超自然を強く否定し,辛辣な聖書批判を行い,後世に彼の名は懐疑精神の象徴となった。同時代への影響は広大で,啓蒙主義の普及により,大革命の精神的地盤の形成に大なる貢献をした。[全集]Beuchot版,72巻, 1828-40; Moland版,52巻, 1883.[文献]G. Lanson, Voltaire, 1906; R. Naves, Voltaire, l'homme et l'oeuvre, 1942.(岩)


Candide (vt.edu)
Candide (tamu.edu)
Candide (Univ. of Idaho)
Candide (scf.usc.edu)
Candide (literature.org)
Candide (humanum.arts.cuhk.hk)
Candide ou L'optimisme (cedric.cnam.fr)
Micrmégas (cedric.cnam.fr)
Micrmégas (princeton.edu)
Memnon ou la Sagesse humaine (princeton.edu)

More Information
Oxford's Voltaire Foundation (ox.ac.uk)
ARTFL Project (uchicago.edu)

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